DEBBIE TAYLOR・・・レディソウルという言葉からどれだけ
の人が彼女の名前を発するであろうか?
アレサ、グラディス、
パティ・ラベル
あたりを思いついても決して彼女の話題が昇る
事などありえないような気がします・・・。
 しかし、彼女のソウルミュージックに触れた事のある者ならば
アレサやグラディスの様な
「ソウルの女王」達に決して劣る事の
無い実力を持ったシンガーである事に異論を挟む様な真似はし
ないであろう・・。
 そんな彼女の72年にニューヨークで録音された唯一のLPは私
がノックアウトされた大名盤です。
ダイナミックで硬質なフィーリン
グに溢れた唱法で聞き手を圧倒したかと思えばセンチメンタルで
繊細なバラードで泣かせてくれます。
レコードに針を落とせば真に胸を打つ極上のソウルミュージックの
世界を堪能できる事は保証します!
「TOUCHIN'YOU」の切なさと
きたら・・・。
「TOO SAD TO TELL」のパンチの強さも凄い!
 プロデューサーの
PATRICK ADAMS,DAVID JOHDANの手腕も
冴えています。
 これほどの実力と風貌と楽曲の良さを持ち合わせながら彼女は
この一枚しかLPを残す事ができずソウルの歴史の中に埋もれてい
ってしまいました。メジャーなシンガー達の世界の裏側にには彼
女達のようなシンガーが数多くひしめいていたのであろ
う。
それは素性不明な埃にまみれたシングル盤の世界を覗いてみれば
一目瞭然である。実力がありながら陽の当たる場所へと導かれる
事がなかったシンガー達。彼らの魂の叫びこそある意味ソウルミュ
ージックの真実を描きだしているのかもしれません・・・。
ソウルは宝探しの冒険みたいなものですね!
 DEBBIE TAYLORは60年代後半にあの
HI録音のシングル「I GET
THE BLUES」(Decca32090)
やこのLP以降にPolydorからリリースさ
れた
「I HAVE LEARNED TO DO WITHOUT YOU」(Polydor14219)
Aristaからの「I DON'T WANNA LEAVE YOU」(Arista0144)などの
シングルを残しています。いずれも自信を持ってお勧めできるので
聞いて見て下さい。







DEBBIE TAYLOR

COMIN'DOWN ON YOU
(72)

 1.NO IF'S,AND'S,OR BUT'S

 2.TOUCHIN'YOU

 3.TOO SAD TO TELL

 4.SECOND TO NONE

 5.ROMANCE WITHOUT FINANCE

 6.LEAVING HIM TOMORROW

 7.NO DEPOSIT,NO RETURN

 8.EYE DOCTOR

 9.JEREMIAH